東京サラブレッドクラブ2019年度募集馬評価 関東入厩予定馬

★・・・ひょっとしたら掘り出し物かもしれない。価格を考えたら面白い1頭。
★★・・・準オープン以上の期待大。資金に余裕があれば積極的にチャレンジしたい1頭。


02
父ディープインパクト 母シーサイドホーム 母父Storm Cat 牡 藤沢和
Northern Dancerを主導にNative Dancerからはスピードを、Sir Gaylordからはスピード・スタミナ諸々を加えた。父とBMSの組み合わせで成功している馬は多いので本馬もそれなり活躍するのでは。得意条件は芝マイル~2000m。藤沢和調教師を最後の日本ダービーに連れて行くのはどの馬だろうか。



03
父ディープインパクト 母プラヤデシエルタ 母父Orpen 牝 木村 ★★
菊花賞、有馬記念を連勝したサトノダイヤモンドと7/8同血の超良血。HaloとNorthern Dancerを使って全体をまとめる配合。サトノダイヤモンドはHaloっ気の強い血統で、本馬はNorthern Dancerっ気の強い。走りそうなのは言うまでも無いが、強調する血の違いがどう影響するか。芝2000m前後が合っているかも。



04
父キングカメハメハ 母レッドセシリア 母父ハーツクライ 牡 鹿戸 ★
東サラお馴染みの繁殖牝馬サセッティの孫。Northern DancerとHornbeamで全体をまとめる。
Mill ReefとRiverman、エタンとKhazaeenの血がスピード、スタミナを補強し、素朴な血統表の割にしっかりした内容。芝中距離で時計の要する馬場で勝負。



05
父ロードカナロア 母ココロノアイ 母父ステイゴールド 牝 国枝
カナロア×ステイゴールドの組み合わせはまだ結果が出ていないが相性は良いほう。本馬はNorthern Dancer系列クロスとHis Majesty(=Graustark)などにより母母の父デインヒルを強調。これまで活躍しているカナロア産駒とは異質の配合。芝短距離で。



06
父ハーツクライ 母ドライヴンスノー 母父Storm Cat 牡 藤沢和 ★
Northern Dancer内NearcoとHyperionで全体をまとめて母の父Storm Catを強調。何をしたいかが明確になっている点はプラス。また母母Wandestaと父内トニービンがマッチしていて全体の血を生かせている点も長所。米系の血を巻き込んで馬力とスピードたっぷり・・・、といったタイプでは無いが、欠点の少ない配合。芝短距離か。



07
父ハーツクライ 母ビジュアルショック 母父Kingmambo 牡 萩原
Northern Dancer主導の配合。ハーツは母ビジュアルショックの血を生かすにはベストの相手ではない。シンプルな血統表は長所だが、素朴過ぎてスピードとスタミナがどこまで能力形成されているかが分かり難い。デビューは早く芝マイル前後で。



08
父ハービンジャー 母レジュールダムール 母父Kingmambo 牡 大竹 ★
母母フェアリーバラードの父Sadler's Wellsを強調した配合。配合自体は優れた内容で、シンプルかつ何をしたいか明確になっている。欧州の芝2000m前後で走ってこそのタイプで日本の馬場にどれだけ適応できるかが鍵となる。夏の北海道競馬の芝2600mを堅実に走るタイプか。



09
父スクリーンヒーロー 母レッドマニッシュ 母父シンボリクリスエス 牡 尾関
サンデー3×3、Roberto4×4を作ったHail to Reason5*5×5*5系列クロス主導の配合。近親度が強すぎるので良し悪しを論ずるのは難しい。前衛的な配合が好みの人向け。



10
父モーリス 母レッドヴァージン 母父Distorted Humor 牡 小島
Danzigを主導勢力としてRobertoがスピード・スタミナをアシストする配合形態。様々な系統のクロスが入り乱れているのは好ましくない。散らかった血統表だが、Danzigを強調する主張は明確なので活躍しても不思議はない。
芝ダート兼用の短距離馬。好調期に強い競馬が期待できるが安定感は無い。



11
父エピファネイア 母グリサージュ 母父クロフネ 牝 手塚
サンデー、Roberto、Northern Dancerのクロスが強い影響力を示すため何を強調したいかはっきりしない配合。芝ダ兼用の短距離馬か。



12
父スピルバーグ 母レッドエルザ 母父Smart Strike 牡 藤沢和
Mr.Prospector、Northern Dancer、Turn-Toの3者が主張するため何を強調したいのかはっきりしない配合。半兄レッドエルザより劣るが厩舎の地力で1,2勝できれば。芝ダ兼用のマイラー。



13
父ワールドエース 母トップモーション 母父シンボリクリスエス 牡 木村 ★★
Be My Guestを主導にHail to Reasonが米系のまとめ役として機能。牡馬にしてはクロスがスカスカなのは好ましくない。また父ワールドエースの中で重要と思われるAcropolis(=Alycidon)を押さえられなかったのが不満。しかしOwen Tudor、Eight Thirtyといった細かなスピードを押さえ、父の血統ではできなかった米系の血の取り込みがマズマズ上手く行っている。
開花は早いが晩成の芝中距離型。2歳冬までに勝ち上がればクラシック路線に乗れるかも。




14
父カジノドライヴ 母レッドシェリール 母父ゼンノロブロイ 牝 加藤征
Mr.Prospectorを主導にBuckpasser、Hail to Reasonが米系の血を補強。3代母Madiriyaより先代がコテコテの欧州血統で全体の傾向に反する点がマイナスだが、それ以外に大きな減点は無い。Northern DancerをクロスさせずMr.Prospectorの主導をはっきり打ち出したのは面白い。
ダート短距離の早熟型。悪い配合ではない。



15
父カジノドライヴ 母レッドセイリング 母父ゼンノロブロイ 牝 鹿戸
レッドシェリールの18同様にMr.Prospectorを主導にBuckpasser、Hail to Reasonが米系を補強。しかし本馬はNorthern DancerがNearctic込みでしっかりとクロスした点で異なる。
ダート短距離型だが完成に時間を必要とするタイプ。



16
父Golden Horn 母ルーヴインペリアル 母父Giant's Causeway 牝 尾関
Nureyevの血で全体をまとめる配合形態。何をしたいか明確なのはプラスだが、古い血と新しい血の世代ギャップが大きいのが心配。それ以外はアーモンドアイを彷彿させるような構成で手堅くまとまっている。芝マイル前後で。



17
父Fastnet 母ジェイム 母父Amadeus Wolf 牝 小島
デインヒル2×4の強烈クロスを持つ。全体の中で母母の血が新し過ぎるのはマイナス。クロスがてんでばらばらに出来てしまい、ある意味何をしかいか良く分からない配合になってしまった。



【良いと思った馬】
03,04,06,08,13

これまでのクラブに比べて甘い評価になってしまいました。ご覧下さった皆さんで各自微調整をしていただけたらと思います
横(クラブ間)の比較では頭1つ抜けている印象で、ユニオンとウインが育成でどこまで差を縮める(or広げられる)かといった感じです。
縦(東サラ各世代間)の比較では昨年ほどポンポン勝てるとは思わないですが、例年どおりのクオリティだと思います。

取り敢えず今年の東サラはキムテツさんの馬に注目だよ、とお伝えいたします。