キャロットクラブ2019年度募集馬評価 71~80

★・・・ひょっとしたら掘り出し物かもしれない。価格を考えたら面白い1頭。
★★・・・準オープン以上の期待大。資金に余裕があれば積極的にチャレンジしたい1頭。


71
父ミッキーアイル 母オリエンタルポピー 母父キングカメハメハ 牝 石坂公
サンデーサイレンス内のAlmahmoud、Hyperionで全体をまとめる配合だが、Nureyev~Northern Dancer(Natalmaを経由した)系列クロスの影響がサンデーサイレンスよりも強いのが問題。しかしサンデーサイレンスとNureyevの相性はマズマズなのでマイナスは軽微か。
同じミッキーアイル産駒の27番と異なりプラスアルファの要素が少ないので面白味は少ない。
スタミナの血が少なく、消極的な理由で短距離向きの馬。スピードタイプの割に完成は遅め。



72
父ダイワメジャー 母ムーングロウ 母父Nayef 牡 松永幹 ★
Turn-Toクロスがあると面白さが倍増したがNorthern Dancerでシンプルにまとめた。Hyperion~Gainsboroughが豊富なのが魅力。安定感は無いが芝マイル前後で2歳から古馬まで息の長い活躍が期待できそう。ダイワメジャー産駒らしい粘っこい先行力が期待できる。



73
父ダイワメジャー 母ユールフェスト 母父More Than  Ready 牝 安田翔
こちらはHaloとNorthern Dancerで全体をまとめた。Turn-To系列クロスのスピードとNative Dancer系のスピードが光る。72番のメジャー産駒と対照的なキャラクターで、シンプルさに欠けた仕上げ難さのあるタイプに。デビューは早く芝短距離で勝負。レーヌミノルのような馬に育てば・・・。



74
父スクリーンヒーロー 母センシュアルドレス 母父アグネスタキオン 牡 寺島 ★
Nasrullah~Nearco、Hyperion、Precipitation、これらのクロスでまとめて父5代目Amerigoにクロスを集中させる配合。不可避とはいえ、サンデーとノーザンテーストの前面クロスは余計の一言。但、NearcoとHyperionが全体に散りばめられ、まとまりやすさはあるので、血統表のイメージより走る可能性も。
スクリーンヒーロー産駒のイメージと異なりデビューは早い。しかし完成は遅くコツコツ力を付けていきたい。芝短距離型。化ける可能性を秘める1頭。



75
父スクリーンヒーロー 母プラチナブロンド 母父ジャングルポケット 牡 庄野
Machiavellian内の血を、サンデーサイレンス、Northern Dancer、Nashuaを通じて血統全体に発散させた形態。血統表の見た目ほど血は濃くないがかなり際どい。本馬も74番同様にデビューは早いが完成は遅い芝ダート兼用の短距離型。



76
父ブラックタイド 母クルージンミジー 母父Mizzen Mast 牡 武幸
本馬は母方の血の世代が若くサンデー内Almahmoudの生かし方が不十分。最近のディープインパクト産駒で見掛ける、LyphardとSir Gaylordでまとめる配合形態。シンプルさに欠ける上に良くも悪くもスタミナがしっかりしているので硬い芝のレース及び3歳前半までの戦いでは苦戦は免れない。
晩成長距離型。3歳夏の芝長距離未勝利戦で勝ち上がりたい。



77
父ヘニーヒューズ 母リーチコンセンサス 母父フレンチデピュティ 牡 西村真
Hold Your Peaceを最前列に構える珍しい血統だが、全体をまとめるのはNorthern Dancer及びRaise a Nativeとよく見かける内容。母リーチコンセンサスはTurn-Toクロスを作ってこその血統だけに、その血を持たぬヘニーヒューズはベストの相手とは言えない。とはいえHold Your PeaceがHalo内のスピード・スタミナおよびMr.Prospectorのスピードを取り込んでいるので面白さはある。
デビューは早くても完成は遅い芝のマイラー。一か八か、当たれば大きい一発の魅力を秘める。



78
父アジアエクスプレス 母スペクトロライト 母父ディープインパクト 牝 高野
本馬はOrsiniというドイツ系の血の5×6クロスを持つ非常に珍しい血統で、母母バランセラ内のドイツ系はほぼ目覚めている。非常に残念なのは目覚めたドイツ系の血が全体をまとめるNorthern Dancerの血と連携できていない事。またディープインパクトの血はある程度生きているがまとめきれないのも残念。
デビューは早く芝のマイルまでで勝負。スローの瞬発力勝負向き。おそらくノヴェリスト産駒のようなキャリアになると思われるが、Orsiniの血によって適性距離が伸びる可能性もある。気になる1頭。



79
父カレンブラックヒル 母ピンクアリエス 母父キングカメハメハ 牡 平田 ★
Storm Catで全体をまとめて、Mr.ProspectorとDr.Fagerのスピードを加えた配合。一見シンプルに見えるがStorm Cat内に異種系統の血がごちゃついているので仕上げに時間を要する。アメリカンのスピードが豊富に生きていて、どのような走りをするか注目。
デビューは早くても完成は古馬になってから。芝もこなせそうだがダート短距離がベター。



80
父トゥザワールド 母カラベルラティーナ 母父クロフネ 牝 坂口智
Charlottesvilleクロスを作り、父の血統の要所を押さえているのが本馬の配合的長所。Northern Dancer(Nearcticを経由した)系列クロスで全体をまとめ、Native DancerのスピードとHail to Reasonから米系のスピード・スタミナを取り込んだ。血統的視点からは何の欠点も見当たらない馬。
デビューは普通で本格化は古馬になってから。芝中距離型。先行粘り込みが合う。脚元に問題が無ければかなりお買い得の1頭。



81
父マクフィ 母コードネーム 母父サンデーサイレンス 牡 渡辺薫
母コードネームはG1馬ハットトリックと同血。本馬はTurn-ToとPharamondのスピードを生かし、母のスピードの潜在能力をほぼ目覚めさせている。しかし父母で世代があっておらず、血統全体の能力参加は今一つ。産駒は芝中距離の晩成型が目立つが、本馬のデビューは早く芝マイル前後で勝負。3歳前半までは力上位か。



82
父リアルインパクト 母シーズンズベスト 母父ゼンノロブロイ 牝 池添学 ★
2018年産ではサンデー3×3を作っただけの馬をよく見かけるが、本馬の血統におけるサンデークロスは全体をまとめる上で有効に機能している。近親度の強さとTom Foolの血を生かせていない点を除けば概ね良く出来た配合か。
兄姉はダートを使われたが本馬は芝マイル~中距離が合いそう。完成は遅いタイプ。



83
父Air Force Blue 母Dance with Kitten 母父Kitten's Joy 牝 安田翔
Northern Dancerで全体をまとめてMr.Prospector、Forliのスピード及びBuckpasserの馬力を加えた配合。前面でごちゃついたのは残念だが、それなりにバランスは取れている。
芝ダート兼用でマイルから中距離辺りで勝負。母優先ゲットまで射程圏にいれて出資するならば面白い馬かも。



【良いと思った馬】
72,74,79,82

72番はダイワメジャー産駒らしさの出た馬になりそうです。
74番は化けた時の楽しみを高く評価しました。
79番は上が走っており、ある程度計算ができるという意味でお勧めです。
82番は池添学調教師の頑張りが鍵を握るでしょう。
★無しですが73,77,78,81番が気になります。
73番と81番は総合力で見れば普通でもスピードの潜在能力が魅力です。うまく育てば化けます。
77番と78番は見た事も無いクロスが1列目に張り出すマニアックさが特徴です。何が起こるか分からない楽しみがあります。
70、80番台をやたらプッシュした感じになっちゃいましたが、関西馬のディープ、カナロア産駒は凄いですよ。資金に余裕のある人はそちらへアタックするのが賢明と思います。